外資系ファッションブランドは、外資系というくらいですから、日本以外に本国があります。
外資系企業で働くうえで、日本側(ジャパン社)にどれくらいの裁量があるかは重要なポイントの1つだと思います。
ということで、ファッションブランドにおける本国とジャパン社の力関係についてまとめてみます。
本国の指示は絶対
やっぱり本国は偉いです。偉いというか、逆らえないです。
例えば本国から依頼が来たら、どんなに急でも原則対応することになります。
部署によっては頻繁に本国から緊急依頼が来て、疲れ果てているところも・・・。
また、ビジターと言われる本国からの(偉い人の)訪問や視察は一大イベントであり、全身全霊を込めて対応します。
数日間の訪問のために分厚い資料を作成し、スケジュールの調整やホテル・移動手段の手配など、何人ものスタッフがそれにかかりきりになるくらいです。
本国の立場は絶対的なものであり、ジャパン社はそれに従うという構図になっているのは間違いありません。
決裁権限は原則すべて本国にある
また大前提として、最終的な決裁権(何かに対する承認権限)は基本的に本国にあります。
つまり、何かをしようと思ったら本国の承認を得なければなりません。
ジャパン社内の承認だけで進められるものも無くは無いのですが、あまり予算がかからないものや、インパクトの少ないことに限られます。
大事なこと(お金がかかることや、大きなインパクトを生み出すこと)はすべて本国承認が必要ということです。
これは前提として変わらないので、以下のことが重要になってきます。
- 決裁以前のプロセスにおける裁量がどれだけジャパン社にあるか
- 決裁の難易度がどれくらいか(形だけの承認なのか、否決される可能性が高いのか)
本国が決めたことをするだけという部署も・・・
ジャパン社にどれくらいの裁量があるかは、会社や部署によって異なります。
中にはただ本国が決めたことを実行するのみというところもあります。
戦略を立てたりプランを決めたりすることが日本側でできないということです。
これは人によってはかなりストレスに感じるポイントだと思います。
逆に以下のようなケースでは、ジャパン社の裁量が大きい傾向にあります。
- チームや責任者の日本における実績が認められている場合
- ローカライズされた戦略が重要な場合(例えば出店戦略など)
例えばリーダーが変わったり、リーダーが実績を作って本国の信頼を得ていくと、同じ部署でも時間とともに裁量の幅が広がっていくこともあり得ます。
ヨーロッパブランドのほうが本国の力が強い?
外資系ファッションブランドは、大きく分けてヨーロッパ系とアメリカ系に分かれます。
非常にざっくりした区分ですが、この2つを比べると、ヨーロッパ系のほうが本国の力が強いということが時々言われます。
これはヨーロッパ系のほうが、ブランドの力が強いのが一因と考えています。
ヨーロッパブランドを思い浮かべると、アメリカブランドよりもよりラグジュアリーで、ブランドの信者的なファンも多いと思います。
そしてアメリカ系のほうが合理的でデータドリブン(量的)なのに対し、ヨーロッパ系はより感覚的(質的)な部分を大事にします。
そのため、アメリカ系であれば合理的な説明をすればわかってもらえることでも、ヨーロッパ系ではわかってもらえない、非合理な指示にも従わなければならないという状態になりがちです。
入社前に確認しておくこと
自分の業務にどれくらい裁量が持てるかということは、仕事の面白みややりがいに非常に大きな影響を与えると思います。
したがって、これは入社前にしっかり確認しておきたいポイントです。
もちろん人によっては、憧れのブランドで働ければなんでもいい!という人もいるでしょう。
本当にそうであれば問題ないのですが、自分が仕事に求めることをよく考えずに、ブランドだけで判断してしまうと、「憧れのブランドに入社したものの仕事が全く面白くない」ということになりかねません。
まずは自分が仕事に対して重要だと思っていることを考えてみましょう。
「ブランド(企業)」だと思っていたけど、意外と「仕事の中身」のほうが大事かも、ということもあるかもしれません。
入社後に(悪い意味での)ギャップを感じないように、入社前に確認できることは確認し、転職を成功させましょう。

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